【特許】米国特許商標庁(USPTO)特許料金改定

2025年1月19日から施行される米国特許商標庁(USPTO)の特許料金改定は、特許出願や関連手続きのコストに大きな影響を及ぼします。このブログ記事では、改定の詳細を解説し、その影響を最小限に抑える方法を提案します。


料金改定の詳細

USPTOは、特許関連費用の幅広い調整を行い、特に以下の項目で料金が引き上げられます。

1. 出願関連費用

ユーティリティ特許の出願、調査、審査に関する料金が約10%引き上げられます。この改定は特許申請時の初期コストに直接影響を及ぼします。

ユーティリティ特許とは?
ユーティリティ特許(Utility Patent)は、新しい機械、製品、化学物質、またはその製造方法など、発明の機能やプロセスに基づいて保護を求める特許であり、米国で最も一般的な特許の種類です。

2. クレーム超過料金

  • 独立クレーム: 3件を超える場合、1件ごとに600ドル(25%増)。
  • 従属クレーム: 20件を超える場合、1件ごとに200ドル(現行の2倍)。

3. 継続出願費用

  • 親出願から6年経過:追加費用2,700ドル。
  • 親出願から9年経過:追加費用4,000ドル。

4. 情報開示陳述書(IDS)の追加料金

累積文献数が50件を超えた場合、件数に応じた追加費用が課されます。

5. 審査継続請求(RCE)費用

  • 1回目: 1,500ドル(10%増)。
  • 2回目以降: 2,860ドル(43%増)。

6. 延長申請の追加費用

延長申請の料金が全体的に約7-8%増加しました。


料金改定の影響を最小限に抑える方法

特許料金改定による影響を抑えるため、以下の対策が有効です。

1. 施行前に手続きを進める

新料金施行前に出願や延長申請を完了させることで、増加する費用を回避します。

2. クレーム数の最適化

  • 独立クレームを3件以内に抑え、従属クレームを20件以内に整理します。
  • 必要に応じてクレームを統合して費用を削減します。

3. 継続出願のタイミング管理

  • 親出願の出願日から6年または9年を超える前に必要な手続きを完了します。

4. IDSの効率化

  • IDSで提出する文献を厳選し、累積文献数を50件以内に抑えます。

5. 審査過程の効率化

  • 審査官とのインタビューを活用して早期の解決を目指します。
  • After-Final Consideration Pilot(AFCP)を活用する場合は、改定後の手数料を考慮してください。

6. 延長申請の削減

期限内に応答を完了させ、延長申請の回数を最小限に抑えます。

7. 割引制度の活用

  • 小規模事業者(Small Entity)またはマイクロエンティティ(Micro Entity)の条件に該当する場合、割引料金を活用します。

8. 特許ポートフォリオの再評価

  • 保有する特許の有用性を再評価し、不要な特許の維持費を削減します。

おわりに

USPTOの料金改定は、特許申請者や権利者にとって負担が増加する可能性がありますが、適切な対応策を講じることで影響を抑えることができます。最新情報は、USPTO公式ウェブサイトから随時確認してください。


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