【商標】初めての商標登録~出願から登録までの流れと注意点~
商標は、商品やサービスを他と区別するためのマークや名称であり、企業のブランド価値を守る重要な役割を果たします。商標権を取得することで、他者による無断使用を防ぎ、ビジネスの信頼性を高めることができます。
商標権取得の流れ
商標権を取得するためには、特許庁への出願が必要です。出願から登録までの主な流れは以下のとおりです。
1. 先行商標の調査
出願前に、他者が同一または類似の商標を既に登録していないかを確認することが重要です。特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)を利用して、無料で商標検索が可能です。
2. 商標登録願の作成
商標登録願には、商標の図案や指定商品・指定役務(商標を使用する商品やサービス)を明確に記載します。指定商品・指定役務は、国際分類に基づく45の区分に分類されており、適切な区分を選択する必要があります。
3. 出願手数料の納付
出願時には、特許庁へ所定の手数料を納付します。手数料は、基本料金に加え、指定商品・指定役務の区分数に応じて変動します。例えば、1区分の場合、出願料は「3,400円+(8,600円×1区分)」で、合計12,000円となります(※特許印紙代のみの額です)。
4. 特許庁への提出
作成した商標登録願を特許庁に提出します。提出方法には、書面での提出と電子出願があります。電子出願を利用することで、手続きがスムーズに進みます。
5. 審査
特許庁の審査官が、提出された商標が登録可能かを審査します。審査では、商標が識別力を有しているか、他者の登録商標と類似していないかなどが確認されます。審査期間は通常6ヶ月から1年程度です。
6. 登録料の納付と商標登録
審査を通過し、登録査定を受けた場合、所定の登録料を納付します。登録料は、一括で納付する方法と分割で納付する方法があります。これにより、商標権が発生し、商標登録証が交付されます。
注意点
指定商品・指定役務の選定
商標を使用する商品やサービスを正確に指定することが重要です。不適切な指定は、商標権の範囲に影響を及ぼす可能性があります。
商標の識別力
商標は、他の商品やサービスと区別できるものでなければなりません。例えば、単に商品の品質や産地を示すだけの商標は登録が難しい場合があります。
先行商標との類似性
他者の登録商標と類似している場合、登録が拒絶される可能性があります。出願前の徹底的な調査が求められます。
まとめ
商標登録は、ブランドを守るための重要な手続きです。適切な準備と手続きを行うことで、スムーズに商標権を取得できます。特許庁の公式サイトや関連資料を活用し、正確な情報に基づいて手続きを進めましょう。