経営者のための知財戦略(11)「企業規模と知財効果」

経営者のための知財戦略(11)
「企業規模と知財効果」
特許等の知的財産権の効果として「信用力の向上」を実感できているのは、どのような規模の企業なのかを示すデータがあります。近畿経済産業局「知財とうまくつきあうコツ!」(2012発行)によれば、企業規模が小さい方が、取引先との交渉や販路開拓の場面で知的財産の「信用力の向上」を活かしているというアンケート結果が得られています。

このような結果となるのは、知的財産を活用している企業のうち規模が小さいほど、経営層が事業戦略に密接な交渉ツールまたは営業ツールとして活用する狙いで、知的財産権を取得しているからではないかと考えられます。実際に私が担当した案件でも、社長からの依頼により公的機関に自社製品を売り込む際に実用新案登録を活用したケースがありました。世の中には知的財産を十分に活用できていない小規模企業がまだまだ多数あります。企業規模は小さくても製品やサービスに何らかの技術的な工夫を施しており、営業力や交渉力を高めたいのであれば、特許等の取得が大きく役立つ可能性があります(白川洋一)。

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