経営者のための知財戦略(7)「技術のブランディング?」

経営者のための知財戦略(7)
「技術のブランディング?」
優れた技術については、その特許自体が営業・交渉や仲間作りに役立ちますが、積極的なブランディングもさらに訴求力を高めるのに役立ちます。このような技術ブランド(インブランド)は商品自体を表すものではなく、商品に使われている技術を表すブランドです。プロセッサをブランド化した「インテル・インサイド」や防水・通気性を有する繊維をブランド化した「ゴア・テックス」が有名です。材料メーカーや部品メーカーが技術ブランドで成功するには、インテルのような大企業でなければならないのでしょうか?
消費者向けに製品を販売する会社は、通常、材料メーカーや部品メーカーより立場が強く、よほどの事情がなければ、仕入先の技術ブランドは日の目を見ることはありません。したがって、消費者向け商品の宣伝や説明に、材料や部品のブランドが持ち出される事例は稀です。
しかし、特許庁が刊行した知的財産権活用企業事例集2018には、表面についた油などの頑固な汚れを水だけで落とすことができる超親水性無機塗料のブランディングに成功した従業員12名の企業が紹介されています。この技術は、大手電機メーカーの洗濯機に採用され、カタログにロゴマークが記載されたことを契機に引き合いが相次ぎました。
このような展開に至ったのは優れた技術と日頃のブランディングの努力のおかげと考えられます。優れたオンリーワンの技術のブランディングは、小規模な企業でも十分に成功します。当初から積極的なブランディングを重視すべきと考えられます(白川洋一)。

お問い合わせはこちら

24時間受け付けております。お気軽にお問い合わせください。