経営者のための知財戦略(1)「特許で儲かる?」
経営者のための知財戦略(1)
「特許で儲かる?」
中小企業について、特許所有の有無と営業利益率の関係を2015~2017年の3年間について統計をとったところ、特許ありの企業の方が特許なしの企業より1%ほど営業利益率が高いという結果がでています。

特許庁事業「中小企業の知的財産活動に関する基本調査」報告書より抜粋
「特許取得=儲かる」でしょうか?単に特許を取れば儲かるならこんなに楽なことはないのですが、もちろんそんなことはありません。自社の強みを維持するツールとして、顧客へのアピールや交渉に特許を用いてこそ、特許は活かされます。
例えば、特許を取ることで自社技術の優位を維持しながら製品やサービスを販売すれば営業利益が増加します。開発メインの事業者であれば特許料収入が売上に計上され、まさに特許が付加価値を生み出すことになります。このように知財戦略に沿って特許を活かした結果が表れたのがこの統計ではないかと考えられます。
統計にはこれ以上の詳細なデータはないので上記は仮説ですがが、もし要因まで分析できたらさらに特許の活かし方について様々な示唆が得られると思います(白川洋一)。